公益財団法人広島県漁業振興基金

沿革



昭和30年代,40年代の高度経済成長期に瀬戸内海沿岸域では,急速な工業開発が展開され,各地に大規模な臨海工業地帯が出現しました。この発展の陰では,工場排水,都市排水の急激な増大が起り,人間生活の場として,また,貴重な食糧生産の場としての瀬戸内海は,自然が破壊され海の生物生態系のバランスを崩し,水質汚濁,赤潮の発生,油濁等の諸問題が多発していました。

昭和48年10月には,瀬戸内海環境保全臨時措置法が公布され,産業排水に係る汚濁負荷量の削減等の環境保全のための積極的な諸施策が実施されるとともに,漁業生産の維持培養のための懸命な努力が続けられていました。

 200海里漁業専管水域時代に突入した当時,我が国の漁業は再出発を迫られ,沿岸漁業の重要性が再認識され,その責務は非常に大きくなっていました。

 このような厳しい国際情勢のもとで,動物性蛋白質の過半を魚からとっている我が国の特異性に対応し,漁業生産物を安定継続して供給するためには,瀬戸内海から公害をなくして漁場環境を保全するとともに,官民一体となった緊急かつ永続的な漁業振興策が必要と考えました。

 そこで,県,市町村,漁業団体,産業界が一団となり,漁場環境の改善に努めるとともに,漁業資源の増大を図り,漁業の近代化を一層促進し,その生産性の向上と優秀な後継者の育成確保に努め,漁家の経営安定を伸展させていくことが課題解決の最良の方法と考えました。

そのためには,総合的かつ機能的な活動を推進する組織として基金の設立が最も適切なものと考え,昭和52年11月に,多くの賛同を得て「財団法人広島県漁業振興基金」の設立を発起し,同年12月5日,広島県知事認可を得て,活動を開始しました。

(設立趣意書抜粋)

 平成20年12月1日,公益法人制度改革3法が施行され,平成22年10月1日公益財団法人移行申請を行い,平成23年1月22日広島県公益認定等委員会の答申,同年3月22日に広島県知事から公益認定を受け,同年4月1日設立登記を行い,「公益財団法人広島県漁業振興基金」として再出発しました。

挨拶



 財団法人広島県漁業振興基金は昭和52年12月に設立され,栽培漁業を大きな柱として事業を展開してまいりました 今般の公益法人制度改革により,新たに広島県知事より公益財団法事人の認定を受け,平成23年4月1日より公益財団法人広島県漁業振興基金として再出発することになりました。

新法人では引き続き水産資源の維持増大,海洋環境の保全に関する事業を行うことにより広島県漁業の振興のみならず広島県民の水産物の安定供給と自然環境保護に寄与することを大きな柱として,これまで以上に地域に貢献したいと考えております。

 今後とも御支援,御協力の程,よろしくお願い申し上げます。


      平成23年4月吉日

                                公益財団法人広島県漁業振興基金

                                    代表理事理事長  奥本英壮

基本方針



当基金は,広島県における水産資源の維持増大,海洋環境の保全に関する事業を行い,水産物の安定供給と自然環境の保護に寄与することを目的とします。

広島県は,豊かな水産資源に恵まれた瀬戸内海中央部に位置し,四季を通じて数多くの魚介類が漁獲されています。これらの漁獲物は,沿岸部に存在する漁村から町に運ばれ,一般県民に安心安全な食材として供給されてきました。

近年,漁業を取り巻く環境は,漁獲量の減少や魚価の低迷,燃油の高騰,担い手不足など大変厳し状態がつづき,更に平成20年夏以降の世界同時不況により経営は一段と厳しさが増している状況にあります。

このような状況のもとでの当基金の果たす役割はつぎのとおりです。

1 資源の維持増大を目指した事業を実施します。具体的にはヒラメ,メバル,オニオコゼ,ガザミ,ヨシエビなどの放流種苗に対して助成を行い,県市町と連携をはかりながら資源の増大に努めます。

2 マダイの栽培漁業に取り組みます。マダイは栽培漁業の先駆け魚種であり,依然として県中部海域を中心に要望も根強く,今後とも中間育成,港内飼付を行い資源の増加に努めます。

3 研究機関が行う栽培漁業に関する技術開発研究に助成します。

4 小学生を対象とした栽培漁業や環境保全に関する学習活動に対して支援助成をします。

5 漁業関係団体と連携して,広島県の水産業発展のために尽くします。